2012年4月11日水曜日

"Redoubling the Double Cut" Gene Castillon





Gene Castillon's Redoubling the Double Cut (Jon Racherbaumer, 2006)


Double Under Cutだけを使って、多種多様な現象を盛り込んだ手順を構成。
なんか面白そうだし、初心者に教える機会がないでもないので、教材としても良いかなーと思って買いましたが……。


読みづらいんだよっ。


ハンドリングを逐一追って書き、そのセクションの目的なり現象なりはほとんど最後に載せるRacherbaumerのスタイルは非常につらい。眠い。
特に、本手順はハーフスタックを使用していて、順番崩したりとか出来ないため、そのセクションなりブロックなりの目的をもうちょっと明確にしていて欲しかった。
欲を言えば、各段階でのシチュエーションチェックももう少し欲しかった。


さて、改めて内容ですが、Gene Castillonが70年代に、主にレクチャーで用いていた手順を再発掘、加筆したようです。

赤のAの出現、サンドイッチ、黒のAの出現、Aアセンブリ、四枚の7の出現、Aの出現(スペル)ポーカーデモンストレーション。
ここで、見逃した方のために最初から、と言ってハイペースで、Aの出現(スペル)、四枚の2の出現、Kの出現、7の出現、Qの出現、Jの出現、と立て続けに起こります。


Double Under Cutだけ、というのは厳密ではなく、Braue Reversalやフォールスカットも使いますが、基本的にカットだけで構成されています。そういう意味では凄い。なお最後をトライアンフでしめるバージョンも解説されています。途中から×××をロケーターにする構成も巧み。


しかし、単品の現象で言うと、いまひとつ。
とくにアセンブリは、正直なところ何一つDeceptiveではないように思えます。子供もだませないのではないか。
しかし最後にカードが揃っていくところは、自分でやっていてもけっこう不思議。

だからといって、気にくわないパーツをすげ替えようとすると、スタックを再構成しなくちゃいけないので相当に手間です。たぶんいちから構成し直した方が早い。

いわゆるDelayed Stackという物の威力は感じられたものの、それ以外にはあまり見るところはないと思います。Delayed Stackであれば、Denis BehrのHandcrafted Card Magic(vol.1 2007)に構成法が詳解してあるので、そちらを参考に、自分の好きな手順で構成すればいいでしょう。


しかしホントに読みづらかった。
どうやらただタイプしただけのようで、表題がちょうどページの最後、切れ目に来ていたりと紙面構成もなにもあったものではない。
Racherbaumerに手を出す事はもうないかも。
面白そうな本もあるだけに残念だが、ともかく読みづらくてかなわない。


追記 2012/4/12
Gene Castillon、知らない名前だなあと思っていたんですが、Spirit Countの考案者でしたね。Phil GoldsteinのFocus、もといパケットトリックを読んでいたら名前が出てきて吃驚しました。シンプルだが手の込んだややこしさ、という点ではなるほど、らしいなと思います。

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