2012年4月14日土曜日

”Cardopolis” David Britland & Marc Russell






CARDOPOLIS (David Britland and Marc Russell, 1984)



David Britlandのカードマジック作品集。
非常にヴァラエティに富んだ内容で、かつそれぞれ、普通とはちょっと変わったアプローチを用いているので面白い。


いくつかご紹介。

Tunnel Sandwich
Card Tunnelを使ったサンドイッチ。カードがゆっくりと、目に見えて現れていくのが気持ち悪くてよい。ハンドリングがややテクニカル。

Flesh Eater
カニバルカード。4枚のKに裏向きのカード3枚を挟み込むが、一瞬で消えてしまう。Paul HarrisのInterlaced Vanishの系譜と見る事もできる。基本手順をベースに、3種類のバリエーションが考案順に記載されているあたり、Britlandのマニアさが伺える。



他にも、トライアンフ+Hofzinser Ace、Point of Departure、All Backなどなど多種多様。Flip Over Cutという技法を色々な箇所で使っていおり、創作法のセッションみたいで面白い。

もちろん、中にはどうだろうと頭をひねるような物もある。パケット毎の枚数が1、2、3、4で行うSlow motion Acesなどは、毎回デックを中継点に使うので、正直プロット倒れの印象。しかし実用云々は別として、カード好きとしては読んでいて参考になる作品ばかり。あまり見かけないマイナー技法が的確に使用されているのもためになる。


総合的に、いい意味でマニアっぽい。作品集でありアイディア集、カードマニアとのセッションが楽しめる。難易度は中級くらいでまとめてあるけれど、たまに平然と難しい事要求されたりして少し戸惑う。



Tunnel Sandwichは、加藤英夫がCard Magic Library Vol4でわりと簡単にできるハンドリングを解説している。ただ別の不自然さが出てしまうかも知れない。

ちょっとしたギミックを厭わないのなら、ヒロ・サカイのE-Z Tunnelが簡単でビジュアルでいい。A1のSecret Session DVDに解説されている。


Flesh Eaterのコンセプトは、Randy WakemanがRandy Wakeman Presents 中で使用し、それを読んだ松田道弘が刺激を受けて松田道弘のクロースアップ・カードマジックにて自作を発表している。
Britlandのアイディアは面白いが、なかなか危うく実用が難しい。そこを的確に指摘、改作した松田道弘の手順が、個人的には一番好み。

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