2012年4月10日火曜日

"Master of the Game" David Britland

Master of the Game (David Britland,1988)

せっかくなのでしばらくBritland特集にします。
Lybrary.comで$5でした。

Poker Demoの一種です。
お客さん自身のデックを用い、お客さんがシャッフルし、両者が交互にカットしてカードを選んでいく。
この条件でなお、演者が勝ち、勝ち手も予言できる。
というものですが……。

宣伝文句にはふたつ、重大な抜けがあります。


お客さんがシャッフルした後、演技者はカードのフェイスを見る必要があります。
ただし順番を入れ替えたりする必要はありません。
これを致命的な欠陥とみるか、カバー可能なものとみるかで、本書の評価は大きく分かれるでしょう。
また予言も、実を言うと勝敗は扱えません。


配られるカードをコントロールする、ということは、当然ですがスタッキングが必要になります。
カルやスタッキングは、本来は非常に高度な技ですが、本書の眼目は、それを極度に簡易化できる、とある原理にあります。

言われてみれば大して不思議な原理ではないのですが、指摘されるまでは気付かない人、漠然と思っていてもその有用性に気付かない(僕のような)人は多いと思うので、Poker Demoに興味のある方は一読してみても良いんじゃないでしょうか。お値段もお安いですしね。

作例では互いにカットしてカードを選んでいますが、これはこの原理に必須の手法ではなく、原理自体はもっといろいろ応用が利くと思います。

また互いにカットしていく部分も、『言われれば当たり前だけど、あまり使われていない』たぐいの手法で、これ自体でも応用範囲が広そうです。

どちらも極めて単純ですが、その分だけ派生が考えられ、おもしろい冊子でした。
この記事を書いている今も、いくつか手順を思いついたので、練ってみたいところです。


Poker Demo、Jazz、Mentalが好きな方にはおススメです。
使える使えないは別としてもいい刺激になるでしょう。
テクニック系の方は肩透かしを食らうと思いますが……。

0 件のコメント:

コメントを投稿