2012年6月1日金曜日

"Card Cemetery" Dani DaOrtiz








Card Cemetery (Dani DaOrtiz, 2008)





DaOritzのTorn And Restored Card集、Cementerio de Cartas がしれっと英訳されていたので買ってみた。
Cemetery(西: Cementerio)は共同墓地という意味、カードの墓場。実際、昨日だけでデック一個半が切れ切れのカード片になってしまった。


2部構成で、第1部はデュプリケートにまつわる策略。
文字通りのデュプリケートから見せかけのデュプリケートまで、簡単に考察、紹介。

第2部はTorn and Restored Cardのトリック10種を解説。


しかしUtopiaがあるからなぁ。ちょっとしたヴァリエーション(FLASHのカードケースを使うヴァージョンとか)を除けば、目新しいのは3品くらいかな。


Restored Card to the Shoe
破ったカードが復活した状態で靴から出てくる。靴の中にある状態で、お客さんのサインがちゃんと確認される。不可能性は極めて高いんだが、なんでこんなコンビネーションなのだろう。
この作品や、Que Raro! DVDでもやっていた、破ったカードが消えて復活した状態で財布から出てくるようなのは、復活現象としていまひとつな気がする。
まあDaOrtizがやれば面白いし、頭が痛くなるくらい不思議なのだろうが、これは出来る人が限られるだろうなあ。


Gag-Strongest Magician
ギャグ。カードを叩いたらバラバラになる。Torn and Restored Cardの逆みたいなものか。
手法は普通だが、気配を感じさせずに行えたら凄く面白いと思う。


Instant Restored
これは非常に珍しいと思った。
DaOrtizの手順はどれも乱雑にカードを破るのだが、これのみ折ってきっちり4片に破るパターンで、かつ準備が必要。
折る、破くのハンドリングが極めて綺麗で、復活後も非常にフェア。
ただ復活部分だけ、大きな動作で誤魔化すような感じがある。僕がもたついているだけかも知れない。それ以外は実に綺麗なので、もう少し練習するなり、GarciaのTornやHollingworthのReformationに応用するなりの可能性を考えてみたい。

ちょっとネタバレになるかもしれないが、新聞紙の復活に似ている手法。
なるほどなぁーと。




ま、策略にしろトリックにしろ、殆どがDVD Utopiaでカバーされているので、改めて買う必要はないと思う。僕はファンだから買ったようなものでして。


しかし英訳が今ひとつ上手くないのだ。本書はカードトリックだし図も豊富だしで問題ないんだが、心待ちにしている心理フォースの本は大丈夫だろうか。ちょっと心配になってきた。
せめて、一回の購入で英語版スペイン語版、両方くれたら助かるのになあ。

3 件のコメント:

  1. こんばんは。
    マジックの洋書がここまで詳しく紹介されている日本語ブログは初めて見ました。
    素晴らしいですね。すぐお気に入りに入れさせていただきました。

    わたしも洋書はそこそこ持っていますが、あまり読んでいないものも多く、全体に目を通した上で紹介されているのは大変参考になります。
    今後の更新も楽しみにしています。

    ところで、筆者の方はKITのO様でしょうか?
    私は同じ出身のTakenakaです。

    もし違ってたらごめんなさい。

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  2. 洋書のBlogって全く見ないので、始めてみました。
    少しは需要があるようで嬉しいです。
    拙い文と読解ですが、がんばって続けていこうと思っています。


    実は本Blogを始めた裏の動機として、Eccentric World of ×××の洋書リストに対する妬みもあったりするので、初めてのコメントがTakenakaさんというのは、なにやら面映ゆいですね。


    あと。
    KITのO様であっていますよー。
    ん? この呼称が通じるということは、
    たまにあっちの掲示板も見てたりするのですか?

    それは余計に恥ずかしいですね……。
    あっちだと先輩風を吹かせて好き放題書いているので。

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  3. やはりそうでしたか。
    たまに掲示板見てます^^

    私はここ数年マジックもほとんどやっていませんでしたが、また興味が戻ってきていますので、久しぶりに学祭のショーでも見に行きたいですね。

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