2012年6月24日日曜日
製本しました。/あるいは電子化による時代逆行。
L&Lが電子出版部門サイトL&L e publishingを立ち上げており、$50以上かけて手に入れたJ.C.Wagnerの本が僅か$9.95で発売されてしまった事には、別記事でも触れました。(値段改定がされたのか、現在は$14程度)
実は$300近くかかったCollected Works of Alex Elmsley も併せて$40で販売されており、心の痛手は癒えるどころかますます深みを増しておりますが。
ともかく、送料が掛からず絶版本が手軽に手に入るというのなら、これを利用しない手はない。とはいえ数十頁のノートならともかく、百頁を越える本をディスプレイで読むのは中々たいへん。あと蒐集家としての欲望も満足されません。
ということで、自家製本に挑戦。
今回は簡単な無線綴じで。
まず初トライ、J.C.Wagnerの7 Secrets。
外見。
表紙を作らなかったのでとても無愛想。
見開き。
工作用紙で、しかも色々あって裏面剥いだので汚い。
印刷はモノクロレーザー。
紙は普通のコピー紙。
まあ実用には問題有りませんです。
2冊目。
John BannonのImpossibilia。
これも一発作製ですが、前よりは材料にこだわっています。
元々はハードカバーの本ですが、今回は残念ながらソフトカバー。
ちゃんと表紙を作った。
元デザインを真似て、Power Pointで作製。
白黒しか印刷できないので、真ん中部分をシールに印刷、ぺたっと貼り付け。
水色の光沢のある厚紙は、Loftで購入。
全切りサイズで100円くらいした。
中身。
撮影の関係でグレーにしか見えませんが、クリームシフォン紙(72kg)で、いかにも本っぽい質感と色に。
中身拡大。
頁右余白の真ん中当たりに、うっすらゴミ。
これは元データに載ってました。
親指で紙の腹が黄ばんだのを、そのままスキャンしたのでしょうかね。
タイトル拡大。
元のデータで、スキャン後に白黒二値化しているらしい。
上のゴミ問題もそうだが、文字もエッジが荒い。
誰だお前!ってなった若いBannon。
写真に変な濃淡が乗っているのは、L&Lではなく、おそらくうちのプリンタのせい。
イラスト本ならいいですが、今後図版が写真の本で製本するときは問題になりそう。
いずれハードカバーや綴じ本にも挑戦したいが、そうなると、A3ノビのプリンタや寒冷紗などが必要になるわけで、どう考えても元は取れない。シフォン紙もそこそこ高く、材料費だけでも結構かかる。
オルファのカッターナイフを買ったら嘘みたいに良く切れて感動。
やはり高い物には高いだけの性能が付随するのだな。
あまり器用ではないので、その上でどう精度を上げるかが今後の課題。
今回は一発作製で、しかも材料の性質をちゃんとしらべないままやったので、Bannon本とかは背表紙が一度ふやけて波打った感じに。美しくない。
活版印刷が出来て本は超高級品では無くなったが、しかし産業革命が軌道に乗るまでは、やはりとても高価だった。
その頃の本屋は本を売るのでは無く本を作るお店だったそうな。
本屋に行くと、本の中身がばらの状態で置いてあって、立ち読みとかして買うか決める。
そしたら革や綴じ方の種類を決めて、製本をお願いする。というような流れだったとか。
いま、正に時を遡っている心地。
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いんぼっしびりあは入手に結構手間かけたのにいいいい。でもエルムズレイ本は絶版でなかなか手に入らなかったので朗報といえます。
返信削除僕は恥ずかしながら初Bannonだったのですが、いや実におもしろいですね。積んでる本が片付いたら(あるいは諦めたら)また別のBannon本も読みたいです。
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