2013年1月6日日曜日

わたしの好きな本




色々と積んだままに新年を迎えてしまいました。明けましておめでとう御座います。



ただ積んでいるだけで無く、読みかけで放置しているのがかなり有るのが、我ながらたちが悪い。読んだけど記事が書けていなくて放置というのも何冊かあります。やれやれ。


それらについて読んだり書いたり練習したりすべきではありましょうが、ここでは全力で現実から逃避し、あまり頭を使わないまま私の好きな本Best 5を短評と共に挙げてみます。いちおう完読済みの「本」体裁の物のみ。なおBest 5ですがその中での順位はありません。



"Card Fictions" Pit Hartling
 拙ブログでも取り上げましたし、最近になって和訳もされてしまいましたが、最高度のカードマジック本。それ以上、言うことがありません。


"Mysteries In My Life" René Lavand/Richard Kaufman
 ひとつのアクトを完全に描写しきった希代の書。片腕のマジシャンにして詩人、René Lavandの演技に触れられる数少ない機会です。氏は演出がすごいのですが、スペイン語話者なので中々わからないのです。最近、DVD MAESTROが出たので迷うところではありますが、トリネタは本の手順の方が好きです。


"52 Lovers 1,2" Jose Carroll
 スペインのJose Carrollのカードマジック本。もし魔法が使えたら、かくもあろう、という奔放で夢溢れる現象にうっとりとなります。カラーチェンジひとつとっても、ピンに串刺しにしたカードが変化する、グラスの中に入っているカードが変化する、といった具合。Dai Vernonに"スペインのマドリッドにはとんでもないカードマジシャンが3人もいる、Tamariz、Ascanio、そしてCarrollだ"と言われながらも、現在、その作品があまり知られていないらしいのが残念です。
 ただ西語圏ではやはり有名なようで、近年のスペイン勢の台頭とともに、氏の代表的な作品Reflectionの現代的なハンドリングが見られたのは嬉しい限りでした。これなら!がんばれば できる!かも!


"Life Savers" Michael Weber
 現代のほんとうの魔法使いが身につけておくべき魔法の本。身の回りの物をつかった、シンプルでクリアな不可能。こういった即席(風味)マジックの本はもっとあってしかるべきと思うのですがなかなか。即席、とは言っても、破った雑誌を元に戻したり、指を弾くと火の玉がとんだり、あげく時間を巻き戻したりと、本当に魔法のようです。
 なお、先のコミケで配布された冊子「週末マジシャンまいけるウェーバーZ」はWeber氏とは一片たりとも関係なかったのが残念でした。まあ告知ページで氏の未見の動画が見られたからよいか。


以上。
あれ、4冊だ。
次点としてはいくつかあるのですが、あと一歩抜きん出るものがなかった感じです。
特にメンタルは、数を収録する本だとどうしても重複して退屈になりがちで損をしているような。
名前だけ挙げておくと、

"The Magic of Ascanio" Etcheberry/Artudo de Ascanio
"The Mental Mysteries of Hector Chadwick" Hector Chadwick
"Absolute Magic" Derren Brown
"Cards on the Table" Jerry Sadowitz
"Relfections" Helder Guimaraes

といった所でしょうか。
なお、影響を受けたという所で言うと、

"Mind Myth and Magick" T.A. Waters

が非常に忘れがたい本です。この本の話もまたいずれできればと思っています。

4 件のコメント:

  1. Thinking the Impossibleは素晴らしい一冊なのですが、流石にスペリングとカード当てが多かったので残念ながら選外に。っていうかシンプルに不思議すぎて、どう演じれば良いものか僕がいまだに消化できてないのが最大の要因です。(つまり悪いのは私)

    他の選外本としては、超実験的なメンタル本ParaLies(Joshua Quinn)というのがあります。ここに収録されている超絶マインドリードが素晴らしいのですが、どうあがいても日本語化できそうになく、選からは漏れました。
    ランダムに単語を選んでもらいたいので、”じゃあ適当に好きな州名を”→”その中の好きなアルファベットを思い浮かべて”→”そのアルファベットで始まる果物を思い浮かべて”→というようなシーケンスを何段か続けた後、いっさいの質問無しでずばり読み取るという気持ち悪い物。
    100%ではないようですが90%くらいは行くそうです。繰り返しも可能。

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  2. あけましておめでとうございます。

    読んでない本が多すぎるので、今年はなるべく持ってる本に目を通してゆきたいです。

    キャロルってそんなに良いマジシャンなんですね。
    氏の"52 Lovers"も積ん読状態だったので、まずはこれを読んでみるかな・・・

    パラパラとめくってみて、紅白の手袋を使った演技の最後にカードのピップがバラバラになる、みたいなイラストを見たあたりで、「あ~、なんかコンテスト向けの特殊な手順が多いのかな~」みたいに思って後回しにしていました^^;

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  3. おめでとうございます。

    いや実際、かなり手が込んでいて道具立ても特殊なのは確かなんですよ。どれもちゃんとアクトになっていて、即興的な物は少ないです。

    しかし、現在の”創作家”の多くがマジックという閉じた文化内にのみ存在するプロットをベースにして、いわゆる楽屋ネタの延長上的な創作をしているのとは異なり、なんというか本当に魔法のようなのです。

    もちろんキャロルも水と油やAアセンブリをベースに創作しているのですが、過去の作品の問題点を改善するとかでは無く、よりより”魔法らしく”見えるように拡張していくのが素晴らしいと思ったのです。

    (ただし即戦力にはなりません)

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