2014年1月13日月曜日

"Penumbra issue 5" 編・Bill Goodwin & Gordon Bean







Penumbra issue 5 (編・Bill Goodwin & Gordon Bean,2003)




碩学Bill Goodwinによる不定期刊行冊子、Penumbraの第5号。
他の号のレビューでも既に書いたが、そんじゅそこらの個人誌とは異なり、大変面白く、そして十分に練り込まれた作品が掲載されている。
今回は純・カードの作品は少なめ。


A Double Shot:Jim Patton
エラスティック・ループを使った連続Aプロダクション。David BritlandのAngel Aces(Card Kinetics,1988)をベースにしており、2枚のカードがそれぞれ左右に飛び出す部分がJim Pattonによるアイディア。
またこの部分だけを用いたカード当ても解説。

カード当ての方では、このアクティブなギミックを見えない形で使用しており面白い。実体化現象の趣もあり、やられたら気持ち悪そう。
なおエラスティック・スレッドが同梱されている。


The California Angel:Bruce Cervon
Pattonの現象に対するCervonのハンドリング。よりマジックっぽい見栄え。またDouble Shotのセット別案あり。解説者も言及しているのだが、これが非常に省力化された方法で驚く。


The Cherry Control:Ricky Smith
見えないトップ・コントロール。
カードを差し込んだ後、ファンを広げ、閉じるともうトップに来ている。

個人的にはBow-To-Sternの方が好きだが、あれよりもだいぶ楽+角度などの制限もすくなそう。
Ricky Smithは露出が少ないが、Dan and Daveをフラリッシュの魔道に落としたり、Earickの手順を非マジシャン相手に演じたり、というド変態レベルの逸材らしいので、今後も注目したい。


Color Scheming:J.K. Hartman
Penumbra issue 3に掲載されたLee AsherのThe Continental DivideのHartman流バリエーション。Card Duperyにも収録されている。
色がバラバラのデックを示した後、怪しい動作無しで赤黒分かれてしまう。
Asherのものが、バラバラ→分裂→再びバラバラなのに対して、こちらはバラバラ→分裂でかつエンドクリーン。ただしセットアップが必要。

Asherのものもチェックしたいのだが、Penumbra issue 3 が手に入らないのですよね。動画販売もしているみたいだが高い上にOne on Oneみたいで尻込み。モダンなAsherのエフェクトの、クラシック手法での表現といったイメージか。簡単に見えて意外と難しい。


Business Trip:Patrick Schlagel
左手の掌に指輪を置き、右手をかざすと、指輪が左手薬指にはまっている。貫通・移動現象。癖が無くたいへん使いやすそう。
「指輪を自然に持ち歩くためにも結婚しましょう」うるさいですよ。


Centrifugal Nightmare:Scott SteelFyre
Professor's Nightmareの表現技法。同じ長さになった3本のロープが、カバー無しで目に見えて違う長さになっていく、というもの。なるほどなー。あんまりロープ詳しくないのですが手軽かつビジュアルで素敵です。


というわけでPenumbra面白いです。 なによりGoodwin(だと思う)の解説の筆が良い。個々のマジックが非常に奥行きのある物に見えます。誰か日本でもこういう冊子出してくれないかしら。

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