2013年11月13日水曜日
"Separation Anxiety" Bruce Bernstein
Separation Anxiety (Bruce Bernstein, 2013)
Bruce BernsteinによるOut of This Worldのバリエーション単品ノート。実体版もあるらしいのですが、送料が嵩みそうだったので僕はe-book版で購入。
Out of This World、好きなんですがなかなか良い”答え”が見付からない。素晴らしい現象なんですが、ハンドリングもプレゼンも、あと一歩、消化しきれないところが有ります(*)。それで面白そうなのを見付けるとついっと手が伸びる。
ましてや、Bruce Bernsteinの作ですからね! 氏のUNREAL は、色々あって途中で置いてしまってますが、とても凄い本でしたのでこのSA も結構期待です。
ということで2段からなるOut of this World。現象の説明は今更でしょう。特徴的なのは、2回繰り返すこと、使用枚数が少ないことでしょうか。10+10で20枚。
カード構成はJon Armstrong/Brad HendersonのOut of This Blah Blah Blahと同じで、実際に相当意識しているらしく本文中で何度も言及されています。BBBは良い手順だけどここが難しい!その点SAは、みたいに仰られるのですがまあどっちもどっちかなと思う次第。正直大差ない。
BBBは、観客がちゃんと10枚ずつに配り分けるように、じっくり選択させていく手順。カードは演者が配ります。一方のSAは、完全に観客に渡してしまい、適当に配ってもらえます(適当に分けたはずなのに10枚ずつになってる!というちょっとしたおまけ現象あり)。
意識的なBBB、無意識的なSAという感じでしょうか。
スイッチ段を除けば、構成はSAの方が洗練されているような気もしますが、絶対的な優位性という程ではなく、どちらの演出が自分に合っているかという問題に集約されると思います。あとSAはちょっとした細工が必要です。逃げる必要のない細工なので個人的には許容ですが、人によっては嫌うかも。
ただBBBの20枚のカードを等分に分ける、という作業はなかなか面倒に思います。1つ2つ3つ、たくさん、と言いますかマジカルナンバー7的なそれと言いますか、非直観的な数量かなと。なので個人的にはSAの方がやや好み。
Out of this Worldの宿痾たるスイッチのぎこちなさは残るものの、前後段で編み込まれた構成の巧みさであったり、ハンズフリーな感じであったりが中々よい手順でした。演技時間も短めで済みますし、これはちょっと試してみたいです。特に構成によって生じる微妙なサトルティは、読んだだけだと、どれほどの効き目があるかちょっとピンときませんし。
ただ単品作品冊子・細工必要ということだけ留意した方がよいかもです。 またe-book版は動画埋込されているのですがBernstein氏は残念ながら下手です。動画では全く通用するように見えません。
*BBB対SAでも主眼になりましたが、誰が現象の主体なのか、その原理は?といったところが今ひとつ、僕の中で安定しません。透視?コントロール? うーん。
なお、手法はともかく現象としてはDerren BrownのUndertakerが最高峰であり異論は認めない。しかしながらDerrenレベルのオーラがないと、ただのチープなトリックに堕してしまうのでどうにも。いつか地下墓所で手品をする機会が巡ってきたら、トライしてみたいと思います。
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