2013年2月1日金曜日

"Parallax" David Britland





Parallax  (David Britland, ? )


トポロジカルなカードマジック。およびおまけ数題。



収録は4つ。
・Parallax トラップドアカード
・Hatch22 トラップドアカードのギミック版
・Twisted Sisters カードの貫通。
・Lady notes Tearing a Lady in Twoのハンドリング改案(部分的)



またまたBritlandの単品小冊子。発行年は表記されておらず、調べてもよくわかりませんでした。たぶん85~86年くらい? Lybraryにはお世話になっていますが、発行年しかりレイアウトしかり、もうちょっとしっかりして欲しいところです。


今回のお題はトラップドア・カード。誰でも出来るかんたんマジック的な本でも良く取り上げられるので、わりと馴染みがあるのではないでしょうか。僕が持ってるのだとMichael Weber LifeSavers にA Better Mousetrapが載っています。あと氣賀 康夫 ビギナーズマジック にも素敵なのが載っていましたな。

カードの真ん中を四角く切って、一辺だけ残し、ちょうど開き戸のようにしてある。そこをつかんでもらっている状態で、カードの表裏がひっくり返る、とそういう手品。マジックというよりパズルの要素が強いですねえ。

原理としてはこれだけで、ほとんど付け足すような要素もなく、うえに上げたのも基本的にはプレゼンテーションや道具立ての違いだけで、現象面でのヴァリエーションはあまり知りません。このParallaxでもそこは同じです。

とはいえ、いまになってから改めてやり方を読むと、なるほど不思議だなあと。「表裏、どっちを持っているっけ?」と、各段階で執拗に聞くのは、現象がはっきりするだけでなく、折る時間をカバーできて良いなと思います。
追加手順Hatch 22は、本当に不可能物体になってしまう(戸のところだけ裏返らない)というもので、通常のトラップドアからスイッチして行うべきもの。

あともう一つ、Twisted Sisters。これがなんとも気持ち悪くてよかったのです。表と表が向き合うようにした2枚のQを、別のカードに挟み、押し込むと、反対から裏と裏になって出てくるという物。KrenzelのTunnelとかJenningsのClose-up Illusion、HarrisのBushwackerに似てるね。即席じゃないのが残念ですが、ブリッジサイズであればこの後Card Warpにも繋げられるし、面白いと思います。視覚的にとても鮮明で不思議です。
マジックってどうしても、「前の状態を覚えていないといけない」時間をまたいだものが多く、ストレスなので、これみたく、今まさに明らかに目に見えておかしい、という手品をもっと仕入れたい。ただどうしても仕掛け物になってしまうのだよなあ。
処理のためにもCard Warp等につなげたい所ですが、あまり資料を持っていません。Card Warp Tour を買うか……いやしかし。


改めてトラップドアというのも何ですが、7ドルの価値はありでした。良い刺激になって、面白かったです。
Lady Through and Throughの記事で当たりが無いとか言ってごめんなさい。カード作品集が実験的なだけで、単品ノートは基本的にどれも面白かったよ。


なお、読んでいて人称であれ?となって調べたのですが、Terri Rogersはトランスセクシャルだったのですね。知りませんでした。どうもMilo & Rogersとごっちゃになってたみたい。
そしてついでに調べた、そのTerri RogersによるStar Gateは一般的なTrap Doorを発展させた素晴らしい物でした。
Trap Doorに発展性ないとか言ってごめんよ。あのときTop SecretsMore Secretsを買っておけば良かったよ。

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