2015年9月16日水曜日
"Joseph Barry 2015 Japan" Joseph Barry
Joseph Barry 2015 Japan (Joseph Barry, 2015)
2015年4月おこなわれたJoseph Barry日本レクチャーでの限定ノート。
酷い本です。
A5、実質13pp、3トリックで5000円というのも近頃あまり見ない値段設定ではありますが、まあ紙も印刷もおしゃれで上質ですし、いま問題にしている酷さはそこではありません。では内容かというと内容も悪くありません。3つしか解説がなく、さらにそのうちひとつがDVD手順の改案という点をさっ引きましても、最後のトリックだけで5000円(は言い過ぎにしてもそのくらい)の価値は有ろうと思います。
でも、とても酷い本なのです。
訳が。
「The Modusの全部の品物をデザインする友達とマジシャン同士であるジョン・コッテル氏」
「参加者に対してポーカーを遊んでいるような上演で参加者にデックの上半分を渡してその半分は参加者はカットした上で」
「テーブルにデックがちゃんとシャッフルされたようにフェイスアップにしてリボンスプレッドで観客に見せる」
うーんしんどい。
手順の再現が不可能であったり、意味が全く分からなかったりという事はありませんが、非常に体力を使います。また冊子本体がやたら格好いいだけに余計に残念さがあります。
おまけにレクチャーの主催者が、こちら方面を売りにしている方なのですよね。監修するタイミングを逃してしまったんだろうとは思うのですが、そのあたりは企画を持ちかけた段階でしっかりしておくべきだったのではないでしょうか。売りにしてるはずの分野でこれですと、やはりちょっとまずいんじゃないですかね。
あと細かいツッコミどころで言うと、レクチャーでのノートの売り方がちょっと狡かったり、嘘が入っていたり(この手順はこのノートでしか発表していません!→英語で単体ノートが売られている*)、レクチャーで駆使していた幾つかの補助的なサトルティが省かれていたり、といった問題もあるのですがまあそれはありがちな事ではあります。
*ただ、現在品切れのようではあります。絶版かどうかは不明
なおご本人の演技は目茶苦茶に不思議で、しかも面白く、ラフ・スタイルの現象とそれを演じるキャラクターについてはDaOrtizよりも好みでした。珍しくBarryはDVDも購入・視聴済みだったのですが、映像で見るよりずっとずっと素敵で、久しぶりの外出でしたが行ってよかったなと思いました。
【収録作】
STOCAN バージョン2
・DaOrtizの流れを汲んだ筋の通らないプロセスで、違和感なく演じるのはかなり難しいです。DVD収録作の改案。
初心者の運
・お互いデックを混ぜてから手札を配るが、観客がフラッシュで勝つ。繰り返すがやはり観客が勝つ。シャッフル部分、実際にはかなり制限があるのですが、とてもそうは見えません。実にフェアに見えます。
OOMW -Out of My World
・みんなが度肝を抜かれたOut of This World。実演を見ました。デックが何度も混ぜられ、自由な選択が繰り返されても、なお赤黒分かれるという途轍もなく不思議な手順ですが、一番凄かったのはカードを配るあいだ全く飽きさせなかった氏の演出かと思います。ショーなどでは必ず演じると書かれてますんで、OOTW好きの人はどうにか機会を得てご本人の実演を見るといいと思います。
読んで済ますのはもったいないです。
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