Penumbra issue 8 (編・Bill Goodwin, Gordon Bean, 2004)
碩学Bill Goodwinの発行するマニアック・マガジン Penumbra。その第8号。
と言うことで、引き続きPenumbraのレビュー。
今回も18頁で4作品を収録。
Constellation Prize:Justin Hanes
相手に夜空の星座をなぞってもらい、行き着いた星を予言している。
非常に古典的な原理を、怖ろしくロマンチックで壮大な現象に仕立てている。条件はそれなりに多いが(北半球、晴れ、光害小、相手方に視力とある程度の星座の知識などなど)、この発想はとても面白いですね。壮大と言えばGarden of the Strange という気宇壮大な本もあったが、あれよりも品があり、まだアマチュアでも出来る感じ。ただ最大の必要条件として、心・技・体の少なくとも一つが並はずれて男前じゃないと無理と思うので僕はちょっと出来ません。
予言マジックの筈がギップル召喚になりかねない。
相手に夜空の星座をなぞってもらい、行き着いた星を予言している。
非常に古典的な原理を、怖ろしくロマンチックで壮大な現象に仕立てている。条件はそれなりに多いが(北半球、晴れ、光害小、相手方に視力とある程度の星座の知識などなど)、この発想はとても面白いですね。壮大と言えばGarden of the Strange という気宇壮大な本もあったが、あれよりも品があり、まだアマチュアでも出来る感じ。ただ最大の必要条件として、心・技・体の少なくとも一つが並はずれて男前じゃないと無理と思うので僕はちょっと出来ません。
予言マジックの筈がギップル召喚になりかねない。
A.M.:Norman Gilbreath
前号の Harrison KaplanによるMirrorskillのヴァリエーション。構成、現象はほとんど同じだが、第二段での補正手法が異なる。One Way Deck使用。個人的には前号ので十分。
なおMirror Skillでのペア生成原理、およびNG状態の発生条件と処理方法を解説しているのだがこれは読み飛ばしてしまいました。しかしGilbrethって存命だったのですね。氏の名を冠した原理が有名すぎて、なんだか100年くらいは昔の人だと思ってた。
なおMirror Skillでのペア生成原理、およびNG状態の発生条件と処理方法を解説しているのだがこれは読み飛ばしてしまいました。しかしGilbrethって存命だったのですね。氏の名を冠した原理が有名すぎて、なんだか100年くらいは昔の人だと思ってた。
The Card of Fortune:Andrew Galloway
相手にカードを混ぜてもらった後、1枚のカードを抜き出し、後ろ手にそれを差し込む。差し込んだところから、相手のクリスチャンネームを綴り、そこのカードを裏向きのまま出す。もう一度繰り返した後、今度は相手にも同じような事をやってもらい、最終的に出てきた4枚のカードが、同一値になっている。
序盤の原理と、ちょっとしたサトルティは面白いが、「同じ事」ではなく「同じような事」なのがネックで、これはちょっと美しくない。
相手にカードを混ぜてもらった後、1枚のカードを抜き出し、後ろ手にそれを差し込む。差し込んだところから、相手のクリスチャンネームを綴り、そこのカードを裏向きのまま出す。もう一度繰り返した後、今度は相手にも同じような事をやってもらい、最終的に出てきた4枚のカードが、同一値になっている。
序盤の原理と、ちょっとしたサトルティは面白いが、「同じ事」ではなく「同じような事」なのがネックで、これはちょっと美しくない。
The Queens:Bill Goodwin
4枚のQが1枚ずつ消え、また1枚ずつ現れる。
Goodwinのペット・トリックなのだろう。全18頁のPenumbra、実にその半分を使ってみっちりと解説されている。技法の度に詳細なクレジットが挿入されるのが、さすが学究派といった所か。難しいが、実に美しい手順。Buckの双子が改案を出していますが、よりゆっくりと行われるGoodwinの方が好みです。ただ出現に関しては、ペースアップして一気に出した方がテンポ良いかもですね。
Penumbraは個人発行の雑誌にしては珍しく、筆者自身はほとんど作品を発表していません。いま手元にある4冊の中で、Goodwinの手順はこのThe Queensのみ(Gordon Beanに至ってはゼロ)。そういう所からも、本手順に込められたGoodwinの自信がうかがわれます。
4作中、2作はちょっと今ひとつでしたが、それら補ってなお、Constellation PrizeとThe Queensは凄い手順でした。
4枚のQが1枚ずつ消え、また1枚ずつ現れる。
Goodwinのペット・トリックなのだろう。全18頁のPenumbra、実にその半分を使ってみっちりと解説されている。技法の度に詳細なクレジットが挿入されるのが、さすが学究派といった所か。難しいが、実に美しい手順。Buckの双子が改案を出していますが、よりゆっくりと行われるGoodwinの方が好みです。ただ出現に関しては、ペースアップして一気に出した方がテンポ良いかもですね。
Penumbraは個人発行の雑誌にしては珍しく、筆者自身はほとんど作品を発表していません。いま手元にある4冊の中で、Goodwinの手順はこのThe Queensのみ(Gordon Beanに至ってはゼロ)。そういう所からも、本手順に込められたGoodwinの自信がうかがわれます。
4作中、2作はちょっと今ひとつでしたが、それら補ってなお、Constellation PrizeとThe Queensは凄い手順でした。