2015年3月22日日曜日
"Card Men" Dan and Dave
Card Men (Dan and Dave Buck, Ricky Smith, 201)
Buck双子によるカード冊子。
なぜか執筆はRicky Smith。そしてそれ以上に不思議なのが、なぜこれを出版したのかという事。いやだってDVDでよかったでしょう。むしろその方が良かったでしょう。
まず、彼らの技法と来たら、やたらに難しくコツがいる。こういう事を言うのは私の怠慢ではあるんだれども、意図している鮮やかさのレベルがあるのなら、それは提示してくれたほうが話が早いよなあ。それから彼らの既存技法を随所で使うのだけれど、これが解説なしの事がままある。一応写真があったり、まあyoutubeで探せば出てもくるだろうけど、やっぱりDVDの方が良かったんじゃないですか?
動画で見れば演技2秒、解説10秒~1分で終わるようなちょっとしたフラリッシュには、明文化すべき要素もないと思うし、あと視覚的な錯覚に大きく依存した手順もあり、これもやはりDVDとかのほうが良いと思うし、というか実際、先日動画DL商品で出してたし。やはりなぜ本にしたのだ。ファッションか。
まあファッションならそれはそれで良いんです、例のごとく物品としては非常に美しく仕上がっていています。その辺は流石です。
内容についてはカードオンリー。技法、ちょっとしたフラリッシュ、クイックな手順。60ppで、基本的には小ネタ集です。ふたつの点から、ぼくは余り好きになれませんでした。
ひとつは基本姿勢として、完全な技術アピール志向なのですよね。それも手品的な要素をすら技術アピールに寄与させるというもので。一例としてあげられているのが、Triumphでシャッフルが終わった後、Sybil Cutをしてからディスプレイをするというもの。表裏を素早くかっこよく選り分けた、という演出ですね(実際に収録されているTriumph手順ではこういう事はやっていないのですが)。
もうひとつは技法に対する過信というか、Hank Miller Shuffleをトライアンフに使うんですよね。いやーいくらあなた方が上手いとはいっても、それはちょっと厳しくないですか。特にそれをトライアンフで使うのはどうなんだろう。僕は無理だと思います。少なくとも所謂Triumphとは別の現象というか表現になると思う。でもそこに関しての言及もないし。
というわけであんまり面白くなかったです。DVDか動画ダウンロードで出せば良かったんじゃないかな。
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