Curious Weaving (Ryan Murray, 2021)
謎ファローシャッフルに執着した約70ページの小冊子。元は2018年の発行で、私が買ったのは最近出た第二版です。内容がちょっとアップデートされている模様。
とにかく謎の情熱に突き動かされている本で、20ページほどかけて通常のファローをじっくり解説した後からが本領発揮。1:2の比率のファロー、2枚ずつのファロー、複数のパケットでのファローなどといった謎のファローシャッフルが連発されます。しかもテーブル版やワンハンド版まである。
さらに、とても偉いことに、これらのファローを使った手順も少しだけ解説されています。しかもライジングカード亜種や、記憶術など、ちょっとファローらしからぬ手順。特に記憶術のやつは、カードの選ばせ方の工夫や、最後にカードがデックから消えてケースから出てくるなど、妙に一般向けに練られていて、あ、この人ほんとにこれらの技法を人前でやってるんだな……と言う説得力になっています。
とはいえ、確かにこれらのファローでないと不可能なアプローチながら、これらのファローを身につけてまでやりたい魅力的な現象かと言うと、それはまあ、ちょっとね。
というわけで、謎ファロー開拓本でした。何か特別なコツや仕掛けがあると言うわけではないんで、読んだからってそうそう出来るようにはならず、どれも大変難しい。また用途もいまいちわかりません。でも夢がある。
また本書は、ファローそのものには詳しいが、それを使った原理や現象についてはほとんど扱っていない。なので、何かそういった領域をカバーした本と併せれば、ぐっと夢が広がるのではないか。私は持ってないが、なんかマジケで出てませんでしたっけそういうの。