2025年12月30日火曜日

“Extra Plots and Methods” Michał Kociołek

Extra Plots and Methods (Michał Kociołek, 2025)


原理を偏愛しつつも現象・演出にも気を配ったMichał KociołekのPlots and Methodsシリーズ、その第三巻です。これまでは4+1作品の小ぶりな冊子でしたが今回はボリュームアップして9作品にオマケ2作の小ぶりなハードカバー。

現象はポーカーとカード当てが多め。前著もそうでしたが、カード当て系では準備や演者側の負担に対して現象が見合っているか疑問な物もけっこうありました。他ではあまり見ない趣向や制限もあって、それがどこまで不思議さに寄与するのか、現象を実際に見たときどう感じるのかを、私がうまく想像できていない所も正直あります。いちど生でくらってみたいですね。一方では表裏混ぜた状態でのCAANや、ブランクカードで行うJazz Acesなど、企みが新しい絵面につながった面白い手順も収録されています。1作目と2作目の間ぐらいの作風でしょうか。

1作目Plots and Methodsがたいへん好きで、そこが基準になるのでちょっと厳しく見てしまいますが、まずどの手順もしっかり手が込んでいて、常に何らかの企みが進行している。そのうえで実演したくなる面白手順もあり、単なる技法・原理の組み換えでない新しい手順もある。原理や企みが好きならまちがいなくお勧めです。あいかわらずちょっと演者への要求が高いところはありますが……。

検索してもいまいち販売ページがヒットしないので、URLも乗っけておきます。

https://plotsandmethods.com/


あと私が買ったときは、単売もされてる作品Misdealのpdfがオマケで付いてきました。10枚カードのポーカーで、これもブランクカードが絡んでおり、企みと原理と見た目が噛み合ったすごい面白現象。なんならこれが一番やってみたくなりました。この人の手順は、やっぱりガフ使ったやつがハネると思います。おすすめ。