The Barcelona Notes (Joaquín Matas, 2026)
Joaquín Matasのレクチャーノート。と言っても本書を手に取る人の大半が気にするのはそこではないでしょう。ノートの副題はMagic from the Repertoires of Gabi Pareras and Joaquín Matasとなっており、そう、あのGabi Parerasの手順が読めるのです。英語で。本書は150ページ、前半4つがMatasの手順、後半4つがGabiの手順の解説になっています。
前半はJoaquín Matasのセクション。Joaquín Matasは芸歴30年を超えるスペインのプロ・マジシャン。15歳の頃、趣味として手品を初めてまだ1年目くらいでGabiに出くわしてしまい気が付いたらプロになってたそうです。怖い話ですね。
Unwary Cheater、Suit AppearanceはスペインらしくPepe Carrollの手順。Gabiお墨付きの改案ということですがあんまりピンと来ませんでした。解説の仕方のせいもあるのか、原案のもつ奔放さが削がれている気がします。ただSuit Appearanceの絵札の個所はけっこう面白いひねりがあります。McFliesは、マクドナルドエーセスをイラスト(鳥とか蜂とか)でやる系列。Fliesとある通りで蠅。あとはFlip Productionのハンドリングと、確度100%のShuffle-Boredの改案。自分でも書いておられますが、創作家というよりもプロ演者で、手順もそういう方向性です。
後半はGabi Parerasセクション。Clandestine Aces、Queens and Joker、Doctor Coué's Test、Caroline’s Acesを解説。作品数は少ないながら、サインされたカードのAアセンブリ、パケットでのカードハンドリング、サカートリック、マクドナルド・エーセスとバラエティに富んでいます。基本的にはMatasが解説していますが、Gabi本人による解説や、Gabiのセリフを書き起こしたもの、後年変化した部分の追加解説などもあり、Gabiの手品を多角的に描写できています。本人による解説だけよりも良いかもしれません。理論そのものの説明はありませんが、セリフや検めのバランス、注釈などから、彼がFictional Magicで何を達成しようとしていたのかも感じられます。とてもおすすめです。
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