Knytkalas (Tom Stone, 2026)
Tom Stoneの最新ノート。タイトルはスウェーデン語で『持ち寄りパーティ』みたいなこと。タイトル通り、バラエティ豊かな手品が10作集まっています。かなり面白くておすすめです。
10作中の7作がカードですが、奇妙な味のパケット・トリックから、カードを破くやつ、カードアクロス、自身の売りネタを使った現象まで、手法も規模もいろいろ。特に本ノートの目玉、Tears of Osirisはすごい。サインされたカードを4つに破り、それが1枚ずつジョーカーの下に移動していくのだけれど、最後、破れた4枚がジョーカーになっており、ジョーカーがサインされた観客のカードになる大作。ちょっと謎現象ではあるかもだが、おもしろい企みがいくつもある。
カード以外は、タバコ巻紙の復活、紙玉と帽子の現代版。あとサムチップを使ったギャグ手品。最後のやつはコンベンション等で馬鹿ウケでしょう。こういうネタも解説されてるのがすごくいいですね。
Tom Stoneの作品はどうにも力業が多く、本書でもそう感じる場面はちょくちょくあるのですが、一方で「たくらみが無いと面白くない」と度々書かれていて、その通りしっかりタネの楽しみもある。またTomas Blomberg、Henrik Holmbergからの寄稿もあって、そういう面からもバラエティ豊富です。
ただTomas BlombergのOdd(s) Triumphですが、これは定番技法を使い、定番現象を組み合わせて一般観客に見せてみたら、なんか演者の思惑とは全然違うウケ方をする場合があった、みたいな手品。トライアンフとして手法や原理が新しいわけではないので、これだけを目当てに買うのはやめたほうがいいかも。
とはいえ収録作の幅が広く、それぞれ面白いので、誰が読んだってひとつはヒットするでしょう。大おすすめ。
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