Dirty Work (Ryan Matney, 2020)
Ryan Matneyのカードマジック10作品のノート。途中まで読んだところでようやく気づいたのですが、KaufmanのところからSpoiler Alertを出している方でした。Kaufmanから出ている一方、他では名前を聞いたことがなかったので、どうにも手を出しかねていた人です。
基本的にはシンプルな技法の組み合わせで、あんまり狙いもわからない。それに現象の種類が私好みではない。たとえばカードとかカードケースにサインペンで何かを書く/書いておくという行為はあまり好きではないし、七つの大罪の「傲慢(自愛)」をフォースするのだけれど、その示し方がカードに鏡が貼ってあって……とかまあそういう。
ところが二つ三つあるんですよ。そのまま使おうとは思いませんが、きらりと光るパーツが。私の場合は特にセルフワーク、セミ・オートマティックな手順で当たりました。そもそもこの本を買った理由が、ある収録作の宣伝文句を読んだからで、曰く「セルフワークのミステリーカード」。それでタイトルがMacGuffinと来たら、それはもう読んでみるしかないわけです。
これが期待にたがわず、……いや、期待とはちょっと違ったし、そのまま演じようとも思いませんが、それでもいろいろいじってみたくなる面白い手順でした。他、ものすごく単純な操作ながら、観客がカットしたパケットの枚数や、その箇所のカードを予言したようにみえる手順などがあり、これもよかったです。
手順の完成度はあまり高くないと感じるのですが、どれもちょっと面白いパーツがあって、なんだか手を加えてみたくなるノートでした。気楽に読めたのも良かった。Spoiler Alert買おうとは思いませんが、また変な手順が入ってそうな冊子が出たら買おうかな。
0 件のコメント:
コメントを投稿