The Ten Count Force (Bob Farmer, 2022)
一般販売されてないようで、さらに良い手順でもないものを紹介するのもどうかと思うが、それはそれとして冊子としては悪くないです。Bob Farmerはどうにも憎みきれない。
原理は古くからあるもの。ここでは予言になっていて、観客がデックを混ぜた後、演者が予言を書き、観客の携帯番号の下四桁に『合わせて』カードを配る。そうすると予言されたカードが出てくる……のだが、原理の使い方がストレートすぎる。さすがにこれはちょっと無いのではないか。
だがここで終わらないのがFarmerで、この原理の初出や発展を簡単にまとめてくれている。それを読むと、原理の弱点をうまく隠蔽するため様々な工夫がされていてとても面白い。というかこれら先行作を読んだ上で何でこれを出しちゃったんだFarmer。
なので、メインの手順は正直よくないと思うんだけれど、過去の作例が手短にまとまっていて、冊子としてはよくできています。Farmer氏にメールしたら多分喜んで送ってくれると思うので興味ある人は是非。なおこの冊子には載ってないが、個人的にはTomas Blombergの"Lucky 14"がこの系統だとベスト。