2017年1月2日月曜日
"Fred Kaps' Lecture Notes" Pete Biro
Fred Kaps' Lecture Notes(1972, 2012, Pete Biro)
かのFred Kapsのレクチャーノート。2012年にPete Biroが自身の小冊子シリーズの11巻目として、判型を改めて出版したものです。しかし古い時代のレクチャーノートという事もあって、イラストは一切なく解説も簡素。ほとんどのトリックは半ページの文量しかありません。ここからKapsのタッチなり工夫なりを読み取るのは難しいと思います。
またPete Biroの編集が良くなくてですね、写真は圧縮ボケしてるし、註釈をつけたかと思えばその内容が『なにせ20年も前のことなのでこのグラスのサイズなどは思い出せない』とかいう読み手側の情報量が全く増えない内容。そんなこと書いてる暇があるなら、解説が間違っているTwisting the Aces, using the Ascanio Spreadを修正しろよ。
また表紙にBonus:Smoking Thumbとあるが、これも酷いんです。簡単な歴史に触れ、あとはTom Mullicaの手に渡ったというギミックの写真があるだけ。手順の具体的な内容やコツは何も明らかになりません。しかもこの写真、Mullicaがオークションで使ったものと書いてあって、……え、それ、Biroはただネットから拾ってきただけじゃねえの?
2つあったギミックのうち一方は自分が譲り受けたとか書くなら手元にあるそいつの写真を撮れば良いのでは?ホントにもらったのですか?それとも現存していないという事ですか?
また演技はここで見れるよ、と言ってyoutubeのリンクを幾つか加えてもいるんですが、一つはリンク切れ、もう一方もどうやらBiroではないアカウントの上げた動画で、しかも壊れているのか何なのか私の再生環境では見られませんでした。
ノートの出来が悪いのは時代的に仕方ないとはいえ、それを2012年に編集のうえ再発売するにあたってこの内容はあまりに手を抜きすぎでは。というか表紙の、自身のカラー写真さえ圧縮ボケしてるんですが、この人は本当に本業写真家なのか。
そんなこんなで酷い出来の冊子です。
内容に戻りますと、Kapsの手品は統一性のあまり感じられない雑多な内容です。一番気になったのはInternational Coins Through Tableで、最終段にちょっと見たことのない組み合わせでの解決方法を取っています。いや単純に不自然だし成立もしていなさそうなんですが、気に掛かるアイディアでした。
しかしKapsはこれ以外も、あまりまともに記録が残っていないようで残念だ。
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