2013年7月18日木曜日

"Close-up Framework" Lawrence Frame






Close-up Framework (Lawrence Frame, 1986)



クライマックスに重点を置いた、イギリスのマジシャン、Lawrence Frameの小冊子。


この人については経歴も消息もよく分からない。8手順中、演出のみが1つ、Sadowitzの寄稿作品が1つ。


うん、まあSadowitz作品を探していて見付けた本だ。ただそれだけなら買わなかったろうが、惹句に興味をそそられた。

”例を一つあげよう。Spellbound Climaxでは、2ペンス硬貨が10ペンス硬貨に変化し、また戻りを繰り返した後、いつのまにかコインがボタンになっている!.見下ろすと、ジャケットのボタンがあるべき場所に、コインがくっついている。”

これいいなあ、と思ったのだ。買って読んでみると、他のもなかなか好み。
”クライマックス”と言うと、どうにも手順が終わった後にもうひと山を加える(ツイスト)ものが多いけれども、これは手順の最終段をより派手に、あるいは豪華にしたといった所か。

クライマックスを付けるために無理をしたり、あまりそぐわないクライマックスだったり、ということは多いが、Frameのはあまり大変な仕込みも無く、現象としても違和感なく繋がっていて好きだ。
スペルバウンド、Twisting the Aces、Coin Cut、Card Acrossといったクラシックが、ちょっと予定調和的だったり、ラストがはっきりしないなあと思う人なんかにはおすすめ。ただしクライマックス部分のみの解説で、手順が載っていない物もあるので、ある程度知識は必要。またCoin ThroughTableは演出のみで、おまけにアイルランド人がうんぬんという話で正直これは流し読み。


全体として、特殊な技法をつかうわけでもないし、素材というか現象のつなぎが上手い感じで、もう少し別の作品も見てみたいのだが、他には露出がなさそうで残念である。




なおSadowitzの手順は、4つに分けたパケットに、1枚ずつAを配ってから重ねるが、Aは4枚とも一番上に上がってくる。それを相手にもやってもらうが、おなじように上がってくる。というもの。
うむ、これもなかなか。

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