2012年5月30日水曜日
"Triple Intuition plus" Dani DaOrtiz
Triple Intuition plus (Dani DaOrtiz, 2012)
Dani DaOrtizのミニノート。
Triple Intuitionという手順と、そこから発展させた2トリックの計3トリックを解説。
『演技・解説映像』版、『演技映像+解説ノート』版の二種があったのだが、安かったのと、原案のTriple Intuitionは別所で知っていたので、ノート版を購入。
どうやら英語版も出たみたい。まあいいんだけどさ。
どちらにせよ演技動画がみられるのは嬉しい。っていうのも、DaOrtizの手順って、文章では今ひとつ魅力が伝わらないのが多いから。手品全般がそうだろうが、DaOrtizのは特に。
手順構成自体は、けっこう弱点欠点がぼろぼろある感じなのだ。それが演技力で完璧にカバーされているために、これだけ不可能に見えるんではなかろうか。
La Triple Intuicion
3人の観客にカードを選んでもらい、デックに戻す。
観客がカードを配りながら、Intuition(霊感)に従って止めると、そこから選んだカードが出てくる。
これは生で見た事があるのだが、本当に背筋が震えるくらいに気持ち悪い。
まあDVD Utopiaでも解説されているので、これのために買おうって人はいないだろう。
La Intuicion Pensada
デックを全員に混ぜてもらう。観客の一人に、心の中でカードを一枚、決めてもらう。
その後、観客の選択によってカードをどんどん減らしていく。捨てたカードは表向きにして、そこに心で決めたカードがない事を確かめながら。
最後に残った一枚が、心で思ったカードと一致する。
このノートの目玉だろう。サイトに演技動画が上がっていたが、あいかわらずハンドリングが途轍もなくフェアに見える。カードを決めてもらうプロセスや、カードを減らしていく手順には、DaOrtiz流のけっこう卑怯な、そして聞いたり読んだりしただけだと、なかなかやろうとは思わない類の策略が使われている。
こういう手順が構成できるのが、DaOrtizの魅力だなと改めて思った。
Intuicion al Numero
ACAANへの応用。心の中で数字を決めてもらう。次にみんなでカードを混ぜながら、カードを一枚決めてもらう。それが、選ばれた枚数目から出てくる。
これも例によってDaOrtizの策略が横溢しており、あんまり詳しく書けない。Utopiaで解説されたACAANを、Triple Intuitionの核になっているある策略と組み合わせたといった所。なにせ全員でぐっちゃぐっちゃにカード混ぜた後でこの現象なのだから、すごい。
難しい計算とかはないのだが、ある部分でけっこう頭を使う。大したことではないのだが、ラフなキャラクタと動作を保ったままでこなすのは自分には荷が重い。Utopia版とくらべても、一長一短というところ。
Triple IntuicionとIntuicion el NumeroはほとんどUtopiaでカバーされているので、買うならLa Intuicion Pensada(Thought Intuition)目当てだろう。これもTriple Intuicionの変奏ではあるのだが、個人的にはとても満足。
やっぱりDaOrtizはすげえなあ。
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