2012年4月16日月曜日

”Deckade” David Britland






Deckade (David Britland, 1983?)




David Britlandのカードマジック作品集。7つの手順を解説。


年号がないんですが、Cardopolisより前の発表のようです。
うーん、これは完全にアイディア集、しかもマニアックでなかなか有効な使い道が思いつきません。

「使い道はたくさんあるが基本原理だけ紹介するよ」とばかり言われて、かなり消化不良です。もちろん、これを作者からの挑戦と見て、いろいろといじくりまわしてみるのも良いでしょうけれど、Cardopolisのようなひねった手順を期待していたので残念でした。


例えば。
Sandswitch
サンドイッチでカードが間に現れると同時に、デックのトップのカードがカラーチェンジする。
With 4
一枚余分を隠した状態でのBizarre Twist。Twist後、真ん中のカードが実はDouble。


ううん……。前者は意味がよくわからない。後者は、何度か読んでみたんですが、どう考えても物理的に不可能というもの。



ちゃんと完成した作品もありますが、エレベーターカードの最後の一枚が、上に上がらず、先の二枚の間から出てくる、とか、それってどうなんだろう、という感じです。


ひとつ、非常に良かった事があるとすれば、クレジットです。
以前、Bizarre Twistに凝っていた時期に開発したオリジナル技法について、ちゃんとした先例が判明しました。掌Palm vol.21(2000)で金沢Cullこと山崎真孝がほぼ同一の技法を発表されていますが、さらに遡って初出はMarc Russellだったようです。
BritlandとStephen Tuckerが編集していた雑誌TALON(1978-1981)のIssue7に発表されたとか。Issue 7の発行が何年なのか、までは記載されてませんでしたが、積年のもやもやが晴れてすっきりしました。


総論、マニアックなアイディア自体は大歓迎なのですが、その調理例を見せてもらえなかったのが至極残念です。Cardopolisが面白かっただけに、内容的にもコスト的にも、どうしてもがっかり感がぬぐえません。



DeckadeCardopolisの後、Equinoxという作品集が出ているようです。Deckadeは、このとおり、今ひとつでしたが、しかし総合的に面白い作者と思うので、Equinoxも機会があれば手に入れてみたいと思います。

まあ何のかんの行って、Bizarre Twistの色々なアイディアとか、けっこう楽しめたのです。




Russellの技法はある問題さえクリアできれば、理論的には完璧なのですが、どうにもDaniel CrosのCros Twistや両手でやる原案に較べ、絶対的によい、というほどでもないのですよね。不思議なものです。




せっかくなのでwith 4 で一作、ひねり出してみました。
どうにも即興、練習不足、高難度で、現時点ではビデオトリックの域をでませんが……(笑
しかも、原案と殆ど変わらないという、実に無駄な労力です。
http://www.youtube.com/watch?v=OfLjrVVgSd8
なお、カードは完全オーディナリで、アレやナニやも使ってません。
以前、凝っていた頃に開発した、ちょっとしたテクニックで解決しています。

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