7 Card Effects (Gabi Pareras, 2014)
Gabi Parerasによる7手順。
先に行っておくと、私はGabi Parerasのファンだ。
Gabiの手順は巧妙かつよどみなく、スペインにおけるクラシックの体現者と言った風格がある。
本書以外にもいくつかダウンロード商品を出しており、これらはできれば秘密にしておきたいほどの逸品。
その上で、本書はいまいち。
収録は、タイトル通りに7手順。簡単にだけ紹介。
◆Sandwich's Vallarino
Jean-Pierre VallarinoのSandwich Volant(いわゆるFlying Sandwich)
◆Card in the box
ごくシンプルなカードの入れ替わり。Doug EdwardsのPack a Wallop?
◆Sandwich at number
サンドイッチと消失。
◆The Time Machine
Steve FreemanのTime Machine、ガフ使用。
◆Pure Touch
相手が選んだカードとカットした枚数を当てる的なあれそれ。
◆Triple Divination
三人の観客が選んだカードを当てる。
◆Poker Prediction
ポーカースタッキング。
全体的に小品な事もあるが、なにより記述がまずい。
私がGabiに期待する所というのは、微妙なタッチであったり、緻密な構築やその背景の論理であったりなのだが、本書の記述は動作の箇条書きであり、手順の最低限の骨子だけしか書かれていない。レクチャーの覚え書き程度の内容と言えばいいか。
手順自体は小粒ながら悪くない感じだし、実際にGabi Parerasが演じたら不思議なのだろうけれど、この情報だけからGabiの特徴や空気を読み取るのは難しい。
そんなわけで、Gabiの作品自体は今後も追いかけたいのだが、少なくともGabi Parerasの作品集としては、本書はあまりお薦めしない。クレジットもないし。
一風変わった(スペイン風の)レパートリーを増やしたいというなら、やや読みづらいものの悪い内容ではないかもしれないが。
もし氏があの洗練されたタッチを記述する術を持たないのだとしたら、あまりにも残念だ。次の作品の英訳を待つ。
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