Small World (Patrick G. Redford, 2013)
引き続き、Out of This Worldのe-book。
そういやPrevaricatorは面白かったよなあ、と思い出してP G. Redfordのサイトを再訪したら、彼もOut of This Worldの冊子を出していたので購入。
こちらも少枚数&複数段だが、大分イメージは異なる。章題が凝っているので、とりあえずそれを引き写すところから始めてみよう。
Contents
The Man Who Sold The World (Introduction)
Tiny World (6 Cards)
Small World (10 Cards)
Mad World (10 Card variation)
Perfect World (10 Card Number Match)
Unexpected World (Prediction with 10 cards)
Full Routine
Bonus
Opposites (still) Attract
Wild World
Practical Applications
Addendum
Charlier Shuffle
Afterthoughts
It's the End of World
ホントーにこんな具合で二色刷になっているのだ。解説図のカードも赤黒表記。まあグレースケールで印刷して読んでたので、あまり関係ないけど。
少枚数で特徴的、とSeparation Anxietyで書いたが、後で調べると思ったよりは作例があった。Henderson/Armstrongの他に、Alex Elmsley、Michael Skinner、J.K. Hartmanなど。
しかし、ここまで刈り込んだ物は珍しいのではないだろうか(*)?初段は3+3のたった6枚、次も5+5の10枚で本当にTiny で Small。
3段からなる、相手にじっくりと"選択"させる手順。先のSeparation Anxiety内で、Out of this Blah Blah Blahの欠点として、10枚ずつに分けるのは直観的に困難、という話をしたがここでは何せ3枚or 5枚なのでその問題はクリア。
またスイッチのぎこちなさも、相当程度クリアになっている。手順の中間というか、比較的半端なところで唐突に”急ぐ”必要がある他の作例に較べ、3枚では中間が存在しない。そして3枚で既に一度現象を見せているため、5枚時にやや急いでも不自然は減じている。
さらに3段目では、観客が自由にカードを入れ替えた後、見ると数字の並びが一致しているというクライマックス。
元来、複層化された手順が好きなもので、これはかなり好み。
最終段に"Perfect"で畳みかける所もよい。が、ここの手法がいまいち。元々4枚用の策略を無理矢理5枚に当てはめているため、かなりごちゃついている。コンセプトは良いのですがね。Swindle Moveもちょっと違うしどうしたものか。
総じて面白く、"選択させる"演出が行ける人なら買って損無し。僕は断然好き。
ただし最終段はそのまま行うのはきついと思う。演者の負担も急に増加する。
variation手順はスイッチがちょっと違う程度の改悪で特筆することなし。
おまけ手順も少枚数Out of this WorldをQKで行うもので、さらにJを増やして同性のペアができてしまったりとかあるがこれも特筆するほどの事はないだろう。
*Behr Fileにあたったところ、どうも4+4の8枚は有るらしい。